チャーハン?餃子?マーポー豆腐?それとも、北京ダック?(笑)
今回は中国人が春節に食べる料理と、食べる理由を地域ごとに紹介します。
一年の節目である春節は伝統的な行事ですから春節ならではの伝統の食文化があります。
日本のお雑煮に地域性があるのと同様に、中国は9万6千万平方キロメートルの雄大な国ですから、春節の食べ物も色々と地域性があります。
どの地域も共通するのは「縁起の良いもの」です。一年の節目ですから納得の理由ですが、地域によって「縁起のよいもの」は多少違うようで、
・北京を含めた長江より北の華北地区では、饺子(Jiao Zi)(水餃子)
・上海を中心とした華東地区では、年糕(Nian Gao)(お餅)
・河南省あたりの華中地区では、鱼(Yu)(魚)
・広州市(華南地区に位置する)では、桔(Ju)(みかん)
が食べられます。これらの食べ物が、どのように縁起が良いのか見てみましょう。
【饺子(Jiao Zi)】
餃子の形が昔のお金の形と似ているから、「お金持ちになるように」という意味が込められています。
前日の深夜0時前に作り、子の刻(深夜0時)に食べます。この餃子で旧暦一日がはじまります。このことを「更歳交子」と言い、中国語では、「交」(Jiao)と「餃」(Jiao)と同じ読み方になるため、年越しの団らんという意味で縁起の良い言葉です。
また、小麦粉に水を入れ餃子の皮を作る工程は、中国語で「和面」と言います。「和」とは、何かを一つまとめるという意味がありますので、これも縁起を担いでいます。
【年糕(Nian Gao)】
お餅の中国語の発音は、「年々高」(Nian Nian Gao)という、生活・学業などの向上を願う言葉と同じで、縁起の良い語呂になっています。
【魚(Yu)】
余るの「余(Yu)」と同じ発音で、食べ物や財産に余りが出るほど豊かになれるようにという意味を込めています。
【桔(Ju)(みかん)】
中国語では「桔」と書いて(Ju)と読み、「吉」(Ji)との発音に似てることと、またミカンの黄色が「金」の色と似ていることから、縁起の良い食べ物・贈り物としています。
中国では、春節を1週間から2週間の長期休暇をとって祝います。普段なかなか会えない人に会いに行き、大勢で和気あいあいで過ごすのは、春節の醍醐味であり、これらの料理がそれに彩を添えているのです。